テート美術館展に行ってきました

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美術への興味

先日、六本木の国立新美術館で開催中のテート美術館展に行ってきました。

美術に興味を持ちだしたのは小学生時代です。担任の先生が絵を描くのが上手で「ムーラン・ド・ラ・ギャレット/ルノアール」を模写したりされていたので、それに憧れていました。

その先生の影響で、印象派の絵画が好きで特にモネの絵がお気に入りです。

下準備

久しぶりに美術館に行くにあたって心の準備というか、ただ単におースゴイね、キレイだなぁで終わらせないようにしたいと思いました。

そう思うきっかけとなったのは、以前読んだ「13歳からのアート思考/末永幸歩」です。

筆者によれば、それまで写実性(いかに実物そっくりに描くか)を目指していた芸術の世界は、カメラの登場により新たな局面を迎えたそうです。

写実性という足枷がはずれた芸術家達は、「芸術とはこうあるべき」という固定観念から次々と解き放たれていきました。

①アンリ・マティス/夫人の肖像

緑色の眉毛を描くなど、見えた通りに物を描くことからの解放を意図しました。

②パブロ・ピカソ/アビニョンの娘たち

複数人の視点から見た構図を1枚の絵に収めるなど、遠近法からの解放を意図しました。

③ワシリー・カンディンスキー/コンポジションⅦ

音楽を絵で表現するなど、物体を描くことからの解放を意図しました。

④マルセル・デュシャン/泉

ありふれた便器にサインするに留めるなど、芸術は目で捉えるものという固定観念からの解放を意図しました。

⑤ジャクソン・ポロック/ナンバー1A

絵の具を無作為にキャンバスに塗り付けるなど、芸術はイメージを映し出すものという固定観念からの解放を意図しました。

⑥アンディ・ウォーホル/ブリロ・ボックス

市販の洗剤パッケージを箱に張り付けるなど、芸術は日常生活とは切り離されたものという固定観念からの解放を意図しました。

従来、特に現代美術に対して「ワケわかんないものを描いてそれを芸術と言い張ってるだけなのでは?」と懐疑的だった私は、上のようなアートの変遷を知り、「なるほど、現代芸術家もちゃんと考えがあってああいう作品を生み出しているんだなぁ」と少し納得しました!

さらに筆者は、芸術鑑賞のやり方を2通り提示してくれました。

・作者とのやり取り=作者の考えを読み取る見方(正解がある見方)

・作品とのやり取り=作品から自分が感じたものを大切にする見方(正解がない見方)

後者は音楽鑑賞ならみんな自然とやっている手法で、歌詞などを自分の体験や記憶に置換して楽しむやり方です。

また、作品を見ておースゴイと思ったら、どこを見てそう思ったのか?作品で目に留まる箇所があったら、そこからどう思ったのか?を自分に問いかけてみると良いそうです。

テート美術館展の感想

・アダムを裁く神/ウィリアム・ブレイク

まず上記の絵に惹かれました。

なぜか?う~ん、なんででしょう…

私の好きな推理小説やサスペンス映画と同じ雰囲気を感じたからです。

炎に包まれた神という巨大すぎる存在に対する怖いものみたさといいますか。そんな感じです。

・エプテ川のポプラ並木/クロード・モネ

これも好きです。とにかくあたたかい陽の光が好きですね。気持ちが明るくなる感覚です。

写真とは違うぼんやりとした風景が、絵本の世界に入ったような想像の世界に連れて行ってもらったような気持ちにさせてくれます。

他には、街灯の明かりが雨にけぶる風景画にも、湿度が感じられてホッとしたのを覚えています。

また、ある現代絵画で長方形が2個並んでいるようなものがあったのですが、その長方形が微妙に中心からズレているのが妙に気になってしまい、自分て思ったより几帳面なのかもしれないと感じました。

とにかく頭が固くなっていることを痛感します。

本の中に登場する、モネの睡蓮をみて「カエルがいるよ」という発想ができる小さい子供の境地にはまだまだ及ばなさそうです。