赤字は翌年に繰り越せる
青色申告の場合、発生した損失(赤字)は3年間繰り越すことができます。
翌年以降に繰り越した損失のことを繰越損失といいます。
赤字は翌年の黒字と相殺できる
翌年が黒字の場合、前年の赤字と相殺することができます。
これを損失の繰越控除といいます。

ちなみに損益通算との違いは
・繰越控除…違う年の同じ所得を相殺すること
・損益通算…同じ年の違う所得を相殺すること
です。

赤字が発生した年の確定申告書
例) 1年目の令和6年度、事業の赤字が150万円発生した。
赤字が発生した年は、確定申告の際に、
・確定申告書(損失申告用)の第四表(一)
・確定申告書(損失申告用)の第四表(二)
が必要です。
記載例は以下の通りです。
R6年度の第四表(一)

第四表(一)は
1.損失額又は所得金額
2.損益の通算
に分かれています。
例では事業所得のみなので、赤枠部分のみ記載します。
R6年度の第四表(二)

第四表(二)は
3.翌年以後に繰り越す損失額
4.繰越損失を差し引く計算
に分かれています。
1年目は「3.翌年以後に繰り越す損失額」の赤枠部分のみ記載し、「4.繰越損失を差し引く計算」の欄は記載不要です。
赤字が発生した翌年の確定申告書
例)2年目の令和7年度、事業の黒字が15万円発生した。
2年目も1年目と同様、
・確定申告書(損失申告用)の第四表(一)
・確定申告書(損失申告用)の第四表(二)
が必要です。
記載例は以下の通りです。
R7年度の第四表(一)

前年同様、その年の損失額又は所得金額を記載します。
R7年度の第四表(二)

2年目は「4.繰越損失を差し引く計算」の赤枠部分のみ記載し、「3.翌年以後に繰り越す損失額」は記載不要です。
R7年度の黒字が15万円<基礎控除48万円なので、繰越損失を控除しないで基礎控除だけで済ます、ということはできません。
控除は順番が決められていて、
・合計所得金額から繰越損失を控除して総所得金額等を出す
・総所得金額等から所得控除をして課税所得金額を出す
という順番になっているためです。
